■今回は、厚生労働省の8月31日付け人事異動で、雇用・能力開発機構生涯職業能力開発促進センター所長から、新潟労働局長に就任した石川透氏を訪ね、今後の抱負等を伺った。石川氏は、厳しい雇用環境にあって、公共職業安定所での職業紹介が基本とし、雇用結合には、能力開発等が重要、との見解を示した。
◆雇用問題
長引く不況の下、労働行政を取り巻く状況は課題が山積する。「何と言っても厳しい雇用失業情勢が問題。行政相談等が増加し、労働者の権利意識も強い」と現状を分析。現労働局は基準局、監督署業務に加え、県職業安定課、公共職業安定所、女性少年室が加わり組織している。「労働行政全体の8割以上を所管し課題は多いが、最大の課題は雇用問題」と指摘する。
◆施策
完全失業率は5%を超え、前例が無い厳しい雇用環境にある。「規制緩和によるベンチャー育成等、新しい雇用の受け皿整備といった長期的施策も必要だが、一朝一夕には出来ない」とした上で、「一番の基本は、公共職業安定所で個々の求職者、求人者のニーズに応じた、きめ細かな職業紹介を行うことが重要」と強調する。
◆総力
雇用が結合しないのは、「年齢や地域、給与だけでなく、能力の問題が大きい」と捉える。職業訓練の間、雇用保険の受給期間延長等の対策を講じているが、「能力開発を担う雇用能力開発機構や安定所との連携をさらに密にし、求職者の生活安定を図りつつ、新しい技術を身に付け、望みの職種に就職して頂けるよう、労働局の総力を挙げて取り組む」と力強く抱負を述べる。
◆20運動
基準行政の目玉、労働災害防止。新潟県内ではかつて、年間死亡災害が100数人に達した。過去最低の2年前は30人、去年が32人だった。今年は20人台(11月6日現在23人)達成へ、−死亡災害撲滅20(にいまる)運動−の展開を強化。「年末に向け、事故が起きないよう気を付けて頂きたい」と訴える。
◆前向き
新潟の赴任は初。県内の監督署、安定所等も一通り巡回した。「新潟市は、きれいな街並みが形成され、地方には田園風景も残っている。とても広い県」と率直な感想を述べる。今後は、「ドライブやスポーツ等へ本格的に活動したい」とプライベートにも意欲を見せる。モットーは、「試行錯誤しながらも前向きに、さらに活力ある組織にしたい」。
(いしかわ・とおる) 1948年生まれ。福岡県出身。早稲田大学法学部卒。73年労働省入省。83年労政局労働組合課長補佐、86年職業安定局障害者雇用対策室長補佐、90年大阪府職業管理課長、96年労働大臣官房労働保険徴収課長、00年雇用・能力開発機構生涯職業能力開発促進センター所長を経て、8月に現職。
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